概要
SciAgentsは、グラフに基づく推論と専門化された言語モデルエージェントが、生物に着想を得た材料研究の仮説構築をどのように支援できるかを探るプロジェクトです。リポジトリには、エージェント間のやり取りをあらかじめ定めたワークフローと、動的に調整される自動化フレームワークという2種類のワークフローのNotebook実装が含まれています。これは提案の生成と改善を目的とする研究コードであり、提案された材料やメカニズムが実験で検証済みであることを示すものではありません。自動化実装ではAG2が使われており、プロジェクトはBuild with AG2コレクションにも収録されています。
説明されているワークフローは、選択したキーワードまたはランダムなグラフ探索から始まります。サンプリングされたパスが概念とその関係を提供し、エージェントはそれらを用いて研究仮説を構築します。オントロジストが概念を明確にし、2つのサイエンティスト役が提案を作成・発展させ、批評者が弱点や改善案を指摘します。自動化方式にはさらに、プランナーと、仮説の新規性を確認するアシスタントが含まれます。構造化JSONには、仮説、期待される結果、メカニズム、設計原則、予想外の特性、比較、新規性が記録されます。段階的に拡張することで、批判的分析や、提案されるモデリング・実験の優先事項を含む、より長い研究草稿が生成されます。
提供されたワークフローの実行には、別個のGraphReasoningパッケージ、OpenAIおよびSemantic ScholarのAPI、さらにREADMEに記載されたグラフと埋め込みファイルが必要です。これらの依存関係から、SciAgentsが単体で動作する発見サービスではないことが分かります。出力はさらなる調査に向けた研究候補です。新規性評価、提案されたメカニズム、推奨される検証作業は、科学的結論に利用する前に個別に評価する必要があります。
主な機能
- 事前定義型と自動化型のマルチエージェント・グラフ推論ワークフローを、それぞれ別のNotebookとして提供します。
- キーワードの選択またはランダムなグラフ探索を行い、その後パスをサンプリングして仮説生成の文脈を与えます。
- 概念の定義、提案の作成、改善、批評を専門のエージェント役に割り当てます。
- AG2で実装された自動化フレームワークに、計画と仮説の新規性確認を担う役割を追加します。
- 構造化された仮説要素をJSONで生成し、批判的分析を含む研究草稿へと発展させます。
- 検索で得られた研究情報を取り込み、後続のモデリング、シミュレーション、実験の優先事項を示します。
用途
- 評価方法の提案:生物に着想を得た材料概念間のつながりを調べ、グラフに基づく提案が有用な研究方向を示すか評価します。
- 評価方法の提案:同じ研究課題について事前定義型と自動化型のワークフローを比較し、提案の一貫性とエージェントによる批評の有用性を検討します。
- 評価方法の提案:生成されたメカニズムや設計原則を、研究者主導の文献レビューと検証計画の出発点として用います。
使い方
- 再現課題を選ぶ前に SciAgents README を読み、グラフに基づくワークフロー、エージェントの役割、生物に着想を得た材料の例を把握します。
- リポジトリのNotebooksディレクトリにある
SciAgents_ScienceDiscovery_GraphReasoning_non-automated.ipynbとSciAgents_ScienceDiscovery_GraphReasoning_automated.ipynbを確認します。事前定義型または自動化型の対話モデルを選びます。 - 別個の GraphReasoning packageと、OpenAIおよびSemantic Scholar APIへのアクセスについて、READMEに記載された要件に従います。すぐに実行できるサービスだと決めつけず、Notebookの設定を確認します。
- READMEに記載された取得手順を使い、
lamm-mit/bio-graph-1Kからlarge_graph_simple_giant.graphmlとembeddings_simple_giant_ge-large-en-v1.5.pklを取得します。選択したNotebookがこれらの入力をどのように読み込むか確認します。 - キーワードに基づく、または探索的なグラフ課題を評価します。生成された仮説要素、拡張された草稿、批評を検索文献と照らして検討し、独立したモデリングまたは実験調査の対象となる主張を選びます。生成された提案は検証結果ではありません。